特許を受けると特許を受けた発明を市場で独占することができますが、一方で独占禁止法違反にはならないのかという疑問も生じます。実は、特許も使い方を誤ると独占禁止法違反に問われる危険があります。それは、どういう場合なのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
独占禁止法は、市場における自己の立場を利用して、本来なら通らないような要求もなんとなく断れない雰囲気を作って通してしまうような「不当な」行為を防止するための法律です。正しくは「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」と言いますが、決して市場の独占を禁止するような法律ではなく、あくまで公正な取引秩序を維持するための法律です。
一方、特許は新たな発明を公開した人に与えるインセンティブとして、一定期間その発明の実施を独占させる制度です。ここで勘違いしやすいのが、特許で独占できるのはあくまで「技術の独占」であって、市場の独占ではないということです。実際は、代替技術の登場や販売力の多寡によって市場の独占などそう簡単にできるものではありません。
では、ある企業が特許を使って技術を独占し、その技術を搭載した商品の流通しか店頭に置けないように市中の販売店に無言の圧力をかけていったらどうなるでしょうか。これが独占禁止法違反となる特許の利用(悪用)方法です。これらは、特に標準化ビジネスモデルというビジネスモデルには避けては通れない経営リスクとなります。
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