大企業や投資家から開発資金を援助してもらうためには、特許出願を広告的に使用するという方法が世界では一般に行われています。特許出願を広告的に使用するとは一体どう言うことなのか、簡単に確認していきましょう。
特許出願をすると、約1年6ヶ月後に出願公開と言って誰が、いつ、どのような発明をしたのかという特許出願の内容が一律に公開されます。これを公開特許公報といい、インターネットで誰でもその内容を確認することができます。公開特許公報には、発明の技術的情報はもちろんのこと、発明者は誰か、特許出願をしたのは何年何月何日か、将来特許権者となる人は誰なのかと言った、権利の帰属に関する情報も余すことなく公開されます。
また、公開したい情報は「明細書」という書類に自由に記載することができます。この明細書の中に、私たちはどのような問題意識を持ち、どのような手段を用いてどのようにその課題を解決し、そして今後どのような開発を進めていく予定なのかといった、まさに資金調達に必要な情報を書き込み、それを特許庁に公開してもらうことで、自分たちの事業計画を証明する書類として世界的に活用することができるようになります。
特許制度はこのような技術情報をシェアしあい活用しあうための制度です。その中で、一定の要件を備えた発明についてはその情報を公開した人だけに一定期間使用を独占させるというのが特許権です。研究者でいう学術論文、技術者でいう技報としての機能を持ち、会社の技術的な取り組みを世界中に広報するための手段が、特許制度です。
特許出願の広告的な活用に関する疑問・ご質問は、お問い合わせフォームからフィラー特許事務所宛にファーストコンタクトをお送りください。ファーストコンタクトのご利用は無料です。