金型発注は製品開発の最終段階で行われる山場ですが、その前にやっておくべきことがあります。それは金型から成形される完成品の意匠登録出願です。これは、意匠登録を受けて他社の模倣から自社製品を守りましょうという一面的なものではなく、他社とトラブルを起こした時のための保険として、意匠登録を受けられるか受けられないかに関わらず、必ず通しておきたい最大の自己防衛策なのです。
金型の発注はあらゆる製造業の中で最大の投資事業といえますが、金型の発注前には必ずその金型で成形される完成品を意匠登録出願しておき、可能であればその結果まで確認しておくべきです。もちろん意匠登録を受けられるのであれば受けておくことがベストですし、仮に拒絶理由が通知されて意匠登録を受けられなかったとしても、何条違反で拒絶されたのか、きちんと特許庁による見解を受けておくことが大変重要です。
もし、金型を発注した後になってその成形品が他社の登録を受けている意匠と被っていたら最悪です。製品のデザインは、現に登録を受けている意匠と、登録を受けられるけどまだ受けていない意匠と、そもそも登録を受けられない意匠の3種類があります。ここで、発注した金型は少なくとも登録を受けられるけどまだ受けていない意匠か、そもそも登録を受けられない意匠のどちらかでないといけません。
そこで登場するのが意匠登録出願というやり方です。意匠登録出願をすれば、発注しようとしている金型から成形される製品が上に掲げたどの意匠に該当するかがわかります。登録査定がされれば安心のGO、拒絶査定がされたらその内容を確認します。それが他人の登録意匠が原因の拒絶理由なら速やかに設計修正、新規性・創作非容易性違反であればこれも安心のGOです。ただし、この判断は弁理士にしてもらうようにしてください。
意匠登録出願に関する疑問・ご質問は、お問い合わせフォームからフィラー特許事務所宛にファーストコンタクトをお送りください。ファーストコンタクトのご利用は無料です。