株式会社シナモンアンドブラウン
開設:2024年4月1日
公開:2025年3月2日

子どもだけでお金のやりとりをしたら

法律で解説

F君は、G君のおもちゃを一部破損してしまい、F君とG君の協議の結果、このおもちゃは100円相当であり、破損した一部は20円に相当するとして、F君がG君に20円を支払うことで合意し、和解が成立しました。その後、F君はG君に20円を現金で支払いましたが、さて、これでよいのでしょうか。

ノウハウ

これは実際にリトルポート甲子園口内で起きた事例(の類例)です。その後、F君のお母さまから相談があり、最終的に20円は精算され、F君とG君の保護者間で解決がされたのですが、せっかく自分たちの力だけで和解を成立させたのに、それを無断で覆されたと言って、F君はかなり憤慨気味でした。 そこで、F君になぜこのようなことが起きるのか、正確に説明しました。

「残念ながらF君は未成年なので、法定代理人(F君のお母さま)によりF君の意思表示は取り消され、F君とG君の和解は無かったことにされたのです(民5条2項)。」

この、「未成年だから」は子どもにとってのパワーワードで、有無を言わせず納得せざるをえないという状況になりました。これは、先の「指示を通す方法」と、根は同じです。

後日談

その後、F君から「いつになったら自由にできるようになるのか?」という質問を受けたので、「18歳の誕生日を迎えたら自分の責任で何でもできるようになるし、お母さんも勝手に取り消すことはできなくなる。」という法律の仕組みを説明しました。

F君的には「母が勝手なことをした」という認識になっていたようですし、このようなフラストレーションは多くの子どもが感じやすいところではありますが、「法律がそう決めているだけでどのお母さんでも条件は一緒です」という現実を示されると、もはや「はい」としか反応できなくなるのです。