A君は、通常より支援が手厚い私立高校に通えることになりました。かねてから高校進学に不安を抱えていたA君の両親も、A君の高校進学にほっと胸を撫で下ろしていましたが、入学早々大きな課題にぶつかり、高校に通うことが困難となってしまいました。
事例の真相
A君の進学先は大阪市内の私立高校でした。A君は府外から電車に乗って高校に通うことになっていたのですが、あることがきっかけで、A君はJRと地下鉄を乗り継いで、自宅から高校まで1人で通学することができなくなっていったのです。
当然、通学についての懸念はご両親もされていたため、入学前に十分な練習を積んでいました。とことが、ある日JRで人身事故があり、A君は聞いたこともない謎の駅で他社線への乗り換えを余儀なくされたのです。A君は迷子状態となり、これをきっかけにA君は通学を怖がるようになっていきました。
同じ地域から同じ学校に通う友達もいなかったため、3年間の間に限って一時的に家族全員が引っ越すかと言う選択肢も検討せざるを得ない状況に至りました。
移動の自由度が人生の自由度を左右する
リトルポート甲子園口では、子どもの移動自由性を高めることを大きな目標にしています。これは、最終的に児童本人の選択の自由度を最大限に高めるためで、移動の自由は社会的自立の根本をなすものだからです。
中学・高校と進学するに連れて、生徒だけで現地集合するという機会が多くなります。また、トライやる・ウィークなど実際の社会の現場に出た際は、直接生徒だけで現地におもむくという対応を要求される場面もあります。自分の行きたいところへは、少なくとも自分の力だけで行くことができる能力を、早い段階から身につけておくことが、ひいてはご家庭の負担も下げていくことにつながります。