卒業文集を晒したヤツを訴えられるか？

...一応不法行為にはなり得ますが、、

投稿：2024年10月06日

卒業文集に限らず、子どもの作文や工作、交通標語やイラストも立派な著作物ですから、これらを公表し、展示したり、複製したり、インターネットにアップロードする権利は、全てこれらを創作した子ども本人にあります。というわけで、卒業文集を晒された場合はその代償として、損害賠償を求めて裁判することも可能ではありますが、実際のところそこまで名声の高い著作物である可能性は低いので、一般人がそれを求めて訴えたところで、せいぜい「プライバシーの侵害」程度の損害額しか認められないでしょう。

問題なのは将来その子が大物になって子どもの頃の著作物に希少価値が生じてしまった場合で、それで争われたのが「中田英寿　日本をフランスに導いた男」事件です。この事件では、サッカー選手Xが中学生時代に書いた作文（正しくは詩）を無断で掲載した出版社Yが、著作権の侵害だと言われて訴えられたのですが、著作物（芸術作品）としての価値は（世界的サッカー選手といえども）まあ所詮中学生の詩に過ぎない（だいぶ乱暴に説明していますが）ということで、結局プライバシーの侵害とか、そういう方向で折り合いをつけざるを得なかったという事件です。

世界的スーパースターでもこの程度なのですから、一般人の卒業文集ではなおさら、裁判に期待することはできないので「無闇にプライバシーは公表しない」「色んな意味でほどほどに」という匙加減で生きていくのが、のちのち面倒にも巻き込まれないし、今の時代の最適解と言えるのではないでしょうか。

すみません、長く語り過ぎました。たまにはこういう話もいいかなと思って投稿しました。ところで、リトルポート甲子園口の支援実施記録簿に「confidential」の文字が右上にあると思いますが、この表記がある書類は公開を目的としていない証拠になりますから、この場合は話が違っています。卒業文集や卒業アルバムにも「confidential」と打って配布して欲しいものです。