株式会社シナモンアンドブラウン
開設:2024年4月1日

道徳成長の3段階

投稿:2024年8月4日

道徳には正解がないと言われますが、発達科学には道徳成長の3段階という正解が示されていて、それが「怒られるからしない→褒められるからしない→自分の判断でしない」という3段階です。

怒られるからしないというのは、いわば恐怖による支配であり、最も脆弱な道徳心とされます。自分の前ではいい子にしていて問題がないように見えていても、その自分がいなくなるとその子本来の姿が現れることになります。この段階を超えた次のステップは、褒められるからしないという、いわば報酬による支配です。いい子にしてると褒められるという条件付けが強く形成されていれば、ある程度報酬が与えられない状況が続いても規律を維持しますが、褒められるという報酬が与えられないことを理解し始めると、次第に規律を失っていきます。道徳の最終段階が、自分の意思でやらない(またはやる)という判断ができる状態です。怒られるからしない、褒められるからしないという判断は他人からの評価を必要としますが、最終段階の自分の意思でやらないは、他人からの評価を必要としません。これが自律です。

なぜやらないのか、やるのかと言った個人的な理由は道徳心とはあまり関係なく、自分の判断で自分の行動を決めている点に意味があります。道徳には「他人を思いやる暖かい気持ちが...」という類の文面がよく登場しますが、誰かの恐怖から逃れるために、誰かからの賞賛を求めるためにこれらを行っているのであれば、道徳の発達状況としては不十分と言えます。