株式会社シナモンアンドブラウン
開設:2024年4月1日

バットの持ち方はそうじゃないよ!

...そう言って友達が持っているバットをグイグイ振り出した男児

投稿:2024年4月11日

私が会社で働いていた時代、接触の悪いノートパソコンがあり一度ディスプレイを閉じてしまわないとログイン画面に移行してくれないという、ひどいポンコツマシンがありました。そこに事情を知らないやや立場の上の人が来て、私がその人に画面を見せるためにロック状態になったディスプレイを一旦閉じようとすると、唐突に「いやいや、これから見るから」とって今まさに私が閉じようとしているディスプレイに手をかけ、逆方向に無理やり開こうとしたのです。しかも、「ちょっとえっ?なに!」と、グイグイとディスプレイをこじ開けようと本気で力をかけてきたのです。

このように、相手が手に持っている物を間髪入れずにその相手の腕ごと自分の思うように動かそうとする現象をクレーン現象と言い(厳密には異なります)、自閉症児によく見られることで知られています。バットの持ち方が悪いと言って相手の持っているバットをそのまま自己流で振り回そうとしたり、その結果それで相手がバランスを崩して怪我をさせてしまうとか、ケンカになったり周囲から避けられる原因にもなってします。また、その特性が消えないまま大人になる人もいます。

いずれにせよ、一旦待つというステップを入れることでクレーン現象によるトラブルは解消します。この一旦待つというステップを日常生活に根付かせる訓練、またそれが意地悪・嫌味で意識的にやっているのか、単なるクレーン現象なのか、それらを見極めて指導にあたるのが、児童発達支援・放課後等デイサービスです。なかなか集団生活に馴染めない子も、本当の意味で計画的に意地悪や嫌味を働いている場合は少なく、ほとんどは何かのステップ・工程が抜けていたり余計だったりして、予想外の展開に周囲が対応できていないだけだったりします。これらは反復練習によって徐々に解消させていくアプローチを試みます。発達科学により、そのパターンや対応策も開発されていますので、児童指導員までお知らせいただけるとよいでしょう。