...と言って唐突に友だちのスコップを二人で持とうとした彼
投稿:2024年4月3日
砂場遊びで穴掘りに夢中になっている子がいました。なんでも自分史上最大の大穴を掘りたいのだと言います。そのプロジェクトに感銘を受けたその子のお友だちが「ぼくも一緒に穴掘るの手伝う!」と言って、唐突にその子のスコップを二人で持とうとしたのです。予想を超えた展開に「やめろー!」のいざこざが発生しましたが、なぜその子が嫌がっているのか、今起きている事態の状況が掴めずにやる気を削がれたその子は自分史上最大の穴掘りを断念し、場が白けてケンカ状態になってしまいました。
ここでも、長年の経験から大人であれば砂場で一緒に穴掘りを手伝うと言えば、二人で別々のスコップを使って同時に穴を掘り進めることを想定します。間違っても二人で一つのスコップを持って「共同作業」をすることを想定したりはしないでしょう。 また、子どもであっても普通は穴掘りを手伝うと言われれば、当然もう一つ別のスコップを持って来て二馬力で掘り進めてくれることを想定するでしょう。 このような場合、一つのスコップを二人で持とうとした行動の裏には「このような場合はこうするもの」という基本概念がすでにその子に形成されている場合がほとんどです。
もしかしたら、何か重い物を持ち上げるときに二人で一つの荷物を持ち上げていた光景をどこかで見ていて「力仕事は一つの対象物を二人以上で行うものだ」という基本概念が既に形成されており「砂→重い→力仕事→二人以上で行う」というプロセスが発動したのかもしれません。 ここで、「意地悪をしてはいけません」「なにしてるの!」と世間的な常識を押し付けるのではなく、そのような行動に駆り立てた思考プロセスを探り出し「何と何が一致して、何と何が相違しているから、この場合はAではなくBという行動をとらなければならない」という思考プロセスに再調整を行うのが発達指導です。
これらの状況判断を瞬時に行い的確な方向に誘導するにはそれ相応の専門知識が必要です。リトルポート甲子園口は、乳幼児教育学・発達科学に基づいた適切な支援体制の構築を行なっています。楽しく踊れば大丈夫、みんなでお歌を歌って運動すればうまくいくと言った、そのような態度で仕事にあたることは絶対にありませんので、ご安心ください。