1960年代から1970年代にかけて、アメリカではケーブルテレビネットワークと固定電話の激しい顧客獲得競争が繰り広げられていました。ケーブルテレビ網ごとに違う番組、同じ電話会社同士でなければつながらない固定電話網と行った、日本とは全く異なるビジネスモデルで、いかに会員数を増やしていくかどれだけ広い範囲に勢力を拡大するかが彼らの最重要課題でした。
こうして生まれたのが会員制ビジネスモデルという知的財産戦略です。そして、この会員制ビジネスモデルをインターネットの世界に応用して世界中に勢力を拡大したのがマーク・ザッカーバーグが率いるFacebookでありInstagramです。では、その成功するSNS戦略を簡単に紹介しましょう。
メッセージアプリを作って10名の会員数を確保したとしたら、一人当たりの接続可能人数は9人になります。その後、会員数が順調に伸びて10倍の100名に拡大した場合、一人当たりの接続可能人数は9人から99人に増えたことになります。つまり11倍です。ところが、メッセージアプリの運営者側から見ると、また違った数字が見えてきます。
10名の会員同士が接続する場合、10個のアカウントから任意の2個のアカウントを抽出することになり、(数II的に言うと10C2ということで)トータルで45通りの接続ができることになります。そして、会員数の増加に伴い100名の会員同士が接続できるようになった場合、100個のアカウントから任意の2個のアカウントを抽出することになり、トータルで4950通りの接続ができることになります。会員数は10倍でもトータルの接続可能数は110倍にまで拡大します。数学的には、会員数の増加に伴ってトータルの接続可能数は会員数の2乗に比例して拡張していくのです。
これをネットワーク外部性の効果と言います。FacebookのようなSNSでは、会員数の増加に伴ってやり取りされる情報量は2乗に比例して拡張していき、会員数が多ければ多いほどネットワークの価値が増大していきます。会員同士のコミュニケーションが必要なサービスでは、とにかく立ち上げ時にいかに多くの会員数を一気に確保するかが最重要課題となります。サービスの内容よりもまずは会員。生き残っているSNSのほとんどが「急激に普及」したものばかりなのは、こういう秘密があったのです。
Facebookはもう古い。Instagramに負ける。今でこそFacebookとInstagramは同じ会社が経営している別ブランドのSNSだということはよく知られていますが、Instagramが出始めた頃はこのようなフレーズを実際よく耳にしました。アメリカでFacebookのアカウント登録が飽和し始めた頃、主に10代のユーザーから「親と同じプラットフォームは嫌だ」という理由でいわば若者のFacebook離れの兆候が見られていました。そこで用意されたのがInstagramだったのです。
Instagramは当初から「若いユーザー向け」という特徴づけを行い、「Facebookは古い、おしゃれな若者はInstagramだ!」と、Facebook自らが宣伝をして急激に若者のユーザーを獲得していきました。このようなブランド展開の方法を帰属のステータスと呼びます。これは、Instagramというサービス自体がFacebookと異なる機能を持たせて差別化を図ったというものではなく、InstagramのユーザーはFacebookのユーザーとは違うという差別化を図ったのです。また、この帰属のステータスはAppleも「初めましてパソコンです。初めましてMacです。」というキャッチコピーを使った「Get a Mac」キャンペーンという広告手法で大々的に用いられました。
インターネットでは模倣が容易なことから同じようなコンセプトのサービスが登場するとつい排除したくなるものですが、それだと市場が拡張しません。ある程度のライバルを温存させつつ、「私は〇〇、あなたは××。」と言った具合に「〇〇というサービスを使っている××の人たちとは違う私」という帰属欲求と、それに伴うステータスの醸造が会員制ビジネスモデルには非常に効果的なのです。GAFAが世界を制覇するという言葉も流行りましたが、よくよく市場を見ると本当の意味で「一強」に陥っているジャンルはほとんどありません。そこには必ずコンセプトの違うライバルの構図が存在するのです。
日本国内で圧倒的なシェアを確立したのはカカオトークではなくLINEでした。この2つのメッセージアプリの明暗を分けた要素は何だったのでしょうか。技術(特許)でしょうか、デザイン(意匠)でしょうか、名称(商標)でしょうか。正解は、順番です。
SNS戦略のほとんどは会員制ビジネスモデルの手法から作られています。FacebookやInstagramはメンバーシップモデルであり、YouTubeやオンライン講座はホストモデル、アフィリエイト・広告収入モデルはカスタマーモデルと呼ばれる会員制ビジネスモデルの応用モデルです。
これらは古くは1960年代にまで遡る歴史ある知的財産戦略の一つです。決して目新しいテクノロジーで作られているものではありません。話は違うかも知れませんが、今もおしゃれな若者向けブランドを展開しているスターバックスも、実際は1987年(昭和62年)から日本国内でのコーヒー提供事業を始めている老舗です。
SNS戦略には正解があります。成功するSNS戦略を自分の事業に取り入れたい方は、シナモリーガルでGAFAが使った・今も使っている知的財産戦略としての会員制ビジネスモデルを使って、クリアに事業を拡張していきましょう。お問い合わせはシナモリーガルまでご連絡ください。
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